クラフトビールの基礎知識

クラフトビール(craft beer)は、言ってみれば職人技のビール、手作りのビールなどという意味のビールで、大手のビール会社が大量生産するビールと対比するような存在です。
アメリカでは、年間生産量が600万バレル(約70万キロリットル)以下、伝統的手法と革新を盛り込んだ原料、発酵技法を用いることが条件とされています。
日本におけるクラフトビールですが、1994年の酒税法改正で、ビールの最低製造数量基準が60キロリットルに引き下げられたために、マイクロブルワリーに相当する小規模なビール醸造会社が全国に登場したのです。これは「地ビール」と総称されて、一時は300社以上も地ビール会社があったのです。
このブームは2003年頃に終息したのですが、それ以降は「地ビール」というよりも、小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造ったビールというようなイメージに変わっていきました。そして最近ではネット販売の効果もあって新たなクラフトビール市場が成長してきました。
2010年代に入るとその人気が一層高まったようで、統計によっては10%以上の成長をとげた年もあったようです。地ビールブームの頃は、ドイツを手本とするブルワリーが多かったのですが、新しいブルワリーはクラフトビール造りが盛んなアメリカやヨーロッパの影響を受けています。こうして日本のクラフトビールもどんどんレベルアップし、美味しくなってきているのです。